昔話 once-upon-a-time story 2004 1 1

 今から、約20年前のことです。
不動産について、レポートを書くために、
土地の登記簿を調査したことがあります。
 そこで、発見したものは何か。
不動産融資の実態です。
たとえば、登記簿を見ると、
第一抵当は、銀行となっていた。
ここでは、銀行名を、AB銀行としましょう。
 しかし、第二抵当を見ると、AB銀ファクタリングとなっていた。
AB銀ファクタリングは、AB銀行とは、別会社であるが、
AB銀行の分身のようなものです。いわば影武者です。
 ですから、その土地に対する融資額は、
AB銀行と、AB銀ファクタリングと合算して、見なければならない。
 この融資額は、その当時でも、土地の価値を、大きく超えていた。
いつかは、崩壊の時があるのではないかと議論したものです。
これが、約20年前のことです。
 しかし、その後、銀行の株価は、大きく上昇していきました。
そういう訳で、銀行の財務内容で、株価を判断するよりも、
チャートで、株価を判断した方がよいのではないかと思うようになりました。

 さて、最近の銀行は、過度の不動産担保融資は、やめたのでしょうか。
かつて、銀行は、思考停止の状態となっていました。
 土地があれば融資をして、土地がなければ融資をしない。
ここで、思考停止をして、次の段階でも、思考停止をしていた。
土地があれば、いくらでも、融資をしていた。
これも、思考停止でしょう。
 最近では、事業モデルに対して、融資をするようになったと聞きます。
これは、景気が不安定である現在、
新たなる不良債権になる可能性があるでしょう。
しかし、これは、意義ある失敗でしょう。プラスの失敗でしょう。
 昨年の暮れ、企業が、株式市場から資金調達する動きが目立ちました。
この動きは、今後も続くでしょう。
もしかすると、これが、主流となるかもしれない。
「銀行試練の時代」は続く。








































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